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Diary : Sole / Lune / Terra / Caelum
※表紙は「キャラクター名(ジャンル名)」で統一して下さい。※
24: L/U/C/A/K/A/N/E/S/H/I/R/O(2/4/3/4/E/N)
2026-02-07 12:51:03


※過去記事再掲
おれがまだ学生の頃、カネシロ家の大人の都合で、とある小さな博物館に行ったことがあったんだ。誰も来ない田舎の僻地、車で山道を越えた更に向こうにそれは建っていた。どうやって維持してるのかもわからないくらい閑散としていて、それでも館内や周辺の庭の植木や花は綺麗に手入れが行き届いていて。静かだけど錆びれた雰囲気は無くて、まるで人が来るのを粛々と待っているみたいだと思った。

そこを管理している老夫婦が大人達と話をしている間、おれは人けのない館内を自由に歩き回って、展示物をひとつひとつ虱潰しに見ていった。とは言っても何一つ価値はわからないから、ただ何となく綺麗だなとか変なのとかそんな薄っぺらい正直な感想しか抱けなくて、でも格好だけは一丁前に、値踏みするみたいなフリをして見ていたよ。
……大人達の話も終わっておれもそろそろ変わらない景色に飽きてきた頃、大人に連れられて帰ろうとしたその時、おばあさんがおれに何かを手渡してきたんだ。『石』だった。掌に収まるくらいの、それでもずしっと重さを感じる、いびつな石。お土産に、って。

その日はすぐに石への興味も薄れちゃったから暫くは放置していたんだけど、月日が経ってまたその石を見つけた時にさ。何だかその石の可能性を見てみたいなって思ったんだよ。それで、おれは1時間以上掛けてしこしこ石を磨きまくった。角が取れて丸くなった石はそれでもまだ少し垢入りな雰囲気があって、きっともっと時間を掛けて磨けばピカピカになるんだろうなって思いつつも……おれがここまで綺麗な形にしたんだって思うと、ちょっとその石に価値が生まれたような気がして嬉しくなった。

──学生の貴重な1時間を、ひたすらその名前も知らない石に費やしたこと。それって無駄だったって思う? それとも有意義だったって思う? 角が取れて丸くなった石を掌で転がしたり、時々光に透かしたりもして、おれはちょっとだけ嬉しくなってた。きっともっと時間を掛けて磨けば、いつかピカピカの宝石みたいになるんだろうなぁ、なんて思いながら。
今その石は小ぶりなネックレスになって、おれの宝石箱の中にいる。他のアクセサリーに負けないくらい、立派な輝きでね。

▽▽▽

自分や好きなものの価値を軽視されたこと、向上心を否定されて成長を阻害されたこと。これ、数ヶ月前の話。なんか色々思うことはあったけどさ~……取り敢えずおれにとって、これらはマジで地雷なんだなって改めて思ったよね。でも、さ、そんなに怒ってはいなくて。怒れなかったんだ。おれは相手を恨みきれなかったし、失望して突き放すことも出来なかった。

だって相手は寧ろ善意で俺に働きかけてくれててさ、「ルカさんがこれをやってくれたら、きっと喜ぶ人が沢山居ます!」なんて言って、おれの好きなことや得意なことを生かした案件を提案をしてくれて……まァ本業とは別件なんだけど。そうやって善意ほぼ100%で声をかけてくれたんだよね。
ただその人はコンテンツそのものの価値も、おれの能力値や経験値、熱意も……何一つ知らなくて、ただ、おれなら出来るだろうからっていう無垢な期待だけで、全てを軽率に扱っちゃった。それで軽んじられてるって感じたおれが結果的に勝手に傷ついちゃったって感じ。どれだけそれに費やして頑張ってきたかとか、どれだけ大切にしているかとか、あの人はわかりようがなかったんだ。

話が一旦完結した今でも、おれはどうするのが正解だったんだろうなって考える。真面目に取り合って傷つくだけバカを見るって分かっちゃいるけど、おれが折れるのって何か違うよなぁって。だって俺の宝石箱は俺が気に入っておれが磨いた石でいっぱいにしたいし、その箱を誰かの為に妥協するなんてしたくない。

自分にとって大切なものは、やっぱり自分自身が強くなって、自分の手で守れるようにならなきゃいけないんだ。

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